魔王伐後、フレインはマイラと一緒に召喚の指輪探しを続けていた。
これはそんなある日の話である。
「フレイン、本を持ってきたよ。他にほしい本とかある?」
「ありがとう、じゃあ今度あっちの方に持っていってくれないかな?」
「わかった。」
ここはとある町外れにある図書館。館長さんによると、昔はよく
本を読んだり、借りたりする人が来ていたのだが、新しい図書館が
出来た途端に、ばったり人がこなくなってしまったらしい。
「すいませんね、ボクらだけに貸し切らせてもらって・・。」
フレインがすまなさそうにいうと、館長さんは微笑みながらいった。
「かまいませんよ。お好きに使ってください。」
「ありがとうございます。」
「では私はこれで・・ごゆっくり。」
そういって館長さんは帰っていった。それと入れ代わりに
マイラが戻ってきた。
「おまたせ。持ってきたよ。」
といって本を手渡した。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
「せっかくだから、マイラも何か好きな本でも持ってくれば?」
「うん、そうするよ。」
それからしばらくして、外が暗くなった頃・・
「うっ、う〜ん・・・・あれ・・ボク・・・あ、そうだった
本を読んだままソファーの上で寝ちゃったんだっけ。」
といって体を起こすと、自分にかかっている毛布に気がついた。
「これ・・・いつのまに・・・・そっか、
きっとフレインがかけてくれたんだね。」
そういってフレインを見ると、椅子に座ったまま眠っている姿があった。
「フレインも本を読んだまま寝ちゃったんだね・・。」
とマイラは苦笑いしながら、近くにあったもう1つの毛布を
彼にかけてあげた。
「お疲れさま・・ぐっすり休んでね。」
そう呟いて、マイラは自分の寝ていた場所に戻って
毛布をかぶって再び眠りについた。
終
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